カテゴリー:映画 2019年01月06日 デイ・アフター・トゥモロー感想&評価

ディザスタームービーの類は好きなんですが、なぜかこれは未見だった……。
今観てもそこそこCGとかちゃんとしてて、安心して観られる映画でした。
安定の家族愛ものでもありますね。

あらすじ

地球温暖化により南極大陸の氷が解けて流れ出し、異常気象が巻き起こり、人類に再び氷河期が訪れる。
絶対零度の世界となったNYに囚われた息子を助けるため、気候学者の父親は決死の覚悟で旅に出る事に。
世界規模の災害が起こる中、人々は生き延びることができるだろうか――?

登場人物紹介

ジャック……気象学者。氷河期の訪れを予測していた。
サム……ジャックの息子。高校生クイズ大会のためNYを訪れていた。
ルーシー……ジャックの妻で医師。病院で患者を守っている。
ローラ……サムの同級生で、クイズのチームメイトである女子。

ネタバレありの感想

【地球温暖化で世界が凍る?】
物語は、ジャックの研究チームが南極で調査を行っている所からスタート。
この時点で棚氷が崩壊し、異常事態が起こっていることがよく分かります。
ジャックは太古の地球で起きた「氷河期」を迎える時が来ると予想していますが、
現時点では数十年後とも数百年後とも分からず、環境会議でも一笑に付されます。
この時にすごく嫌な印象を持つのが、副大統領のキャラクター。ここで終わりかと思いきやかなり出番の多いキャラでビックリ(笑)。

【まだ辛うじて平穏な日々】
ハリケーンの被害がニュースで取り上げられるようになり、ジャックの知り合いの環境系研究所でも、海水温の低下を1カ所測定。
気付かない所で少しずつ異変は起きていきます。
そんな中、ジャックの息子がNYの高校生クイズ大会に出るため家を出ます。
この息子、よくある父親反発型の反抗期君と思いきや、意外とそうでもない。
父親との会話もちゃんとするし、成績も良好。むしろ良すぎてカンニングを疑われる始末。
でもティーンエイジャーらしく、恋に生きてるちょっと軟派な奴。
ライバル校の男子がチームメイトの女の子にちょっかい掛けてるのに、うまく行動を起こせません。
正直この辺の恋愛模様はいらんかった気もする……。

【唐突に悪化する異常気象】
東京ではゴルフボール大の雹が降り、ロサンゼルスには竜巻が発生、NYは道路に水が溢れ洪水状態に。
ヨーロッパ、アジア、アメリカ、全世界を巨大な嵐が襲い、氷の世界へと変えていきます。
サムたちは津波を逃れようと、公立図書館へと逃げ込みました。
携帯電話も通じなくなりますが、辛うじて公衆電話を見つけて家族に連絡を取る事ができます。
(この辺、実際近年の災害が起きた時にも同じ事が起こりましたよね……)
気象学者のジャックは、息子に「絶対そこを離れるな。凍死するから外にも出てはいけない。ひたすら火を燃やせ」と指示します。
そして自分自身で息子を助けに行くことを誓うのです。
息子はその言いつけを守り、妻は病院で患者の面倒を見ながら二人の帰りを待つことに。
この奥さんが、そこまで出しゃばらないタイプで、黙々と仕事をこなすタイプなのが結構良かったです。無駄に夫と口論したりもしないし。
ジャックは1人でNYに向かおうとしますが、さすがに研究チームが黙ってはいません。同僚二人が同行することになります。
おそらく普段から南極で働いているぐらいだから、肝は据わっているのでしょうが……人の命を預かるのって、怖いなとも思います。

【荒れるアメリカ全土】
ジャックら研究者の意見もあり、アメリカ政府は北の人間は屋外退避を続行。そして南の人間は、さらに南へと避難勧告をします。
散々ジャックの事を馬鹿にしてきた副大統領がやっと理解を示した結果ですが、すでに状況は深刻なものに。
メキシコへと大移動を始めるアメリカ国民のシーンは、アメリカへの不法入国問題とは真逆の様相を呈しています。
アメリカ大統領も、ホワイトハウスからメキシコへの移動をぎりぎりまで粘り、結果消息が途絶え……。

一方北の地方は、屋外に出ることも危険な有様。しかしそんな中、公立図書館の避難民が街の外へと逃げる決意をしました。
凍死することが分かり切っているサムは必死で止めますが、図書館に残ったのは数名程度。
残ったメンバーは、食料や燃料にする本をかき集め、避難環境を整えていきます。

【父親サイド、息子サイドの波乱の展開】
父親サイドは、NYへの過酷な旅路。
ほぼ極地を徒歩で移動しているのに近い状態が続きます。下がどうなっているかも分からない雪の中を歩き、アクシデントで装備や仲間を失い……。
NYがどういう状況かも分からないまま、とにかく息子が生きていることだけを信じて足を動かします。
息子サイドは同級生のローラが足の傷がもとで高熱を出し、命に係わる状態に。
洪水状態の街中に浮く巨大な船へ侵入し、抗生物質を探索する必要が出来ました。
その船には、洪水を逃れた肉食動物も侵入していて……。
その他にも、患者を移送するのに救急車が必要で、病院から出ることができなくなった母親や、
僻地の研究所で、避難できず死を覚悟する研究員たちの姿など、波乱万丈のシーンが盛り沢山。
おそらく早送りする気も起きないレベル。なかなか引き込まれます。

【最後の難関】
嵐の目は、通常の台風などよりも大きく、気温もすさまじく低いため、屋外にいるだけでも凍り付くのは確実です。
そんな目がジャック、サムそれぞれを襲い……。
凍える嵐との人間のチェイスシーンが迫力のある映像で描かれています。
そしてやっと嵐が収まり、ジャックがNYへと到着。公立図書館の一室に避難していた息子と、感動の対面です。
確実に生存者がおり、一面氷の世界ではありますが外の嵐も落ち着いているため、ジャックが通信機器で外部へ救助を呼びます。
NYに向かう救助の軍用ヘリから見えたのは、いくつものビルの屋上で助けを求めて立つ人々でした。

ラストには、あの副大統領が臨時の大統領として、国民に向けた緊急放送をしているシーンが。
自分も含め、環境になど無関心でいた人々へのメッセージとなっています。
“途上国”として扱っていたメキシコや他国に助けられ、母国ではない地で再び立ち上がろうとする……。
愚かさを悔い、希望を繋ぐラストでした。

まとめ

管理人の評価:★★★★☆(星四つ)
あまり難しい理屈付けなどはなく、素人がそこそこリアルに感じる範囲で上手く作られたディザスタームービーという気がします。
定番の「家族愛」「環境破壊」などがテーマにはなっていますが、そこまで鼻に付くほどでもなく。
ひたすらハラハラ、ドキドキが楽しめる作品になっていました。
特に中盤の竜巻によるロサンゼルス崩壊、津波によるNY崩壊は、かなり時間をかけて丁寧に描かれています。
でも息子の恋愛模様が結構シナリオ上で割合多めなので、やっぱり若い人向けな気がしますね。
あそこをあえて男同士の友情にしてみたら、もっと面白いと思うんだけどな~。

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