深山くのえ先生の大ファンですが、このシリーズは特にお気に入りです。ノベルスの2巻以降音沙汰が無かったのを残念に思っていましたが、今年になっていきなり3巻が出て。そして年内に4巻まで……! 心底ハッピーです!!
ああ、もう読んでてキュンキュンしまくりだっ! 以下ちょっとネタバレありであらすじ&感想です。
あらすじ
紆余曲折を経て画家の要と結婚した十六歳の千鶴。穏やかな日々をおくる中で、ある日友人たちと要の作品が飾られている百貨店に行くことに。
親族がその百貨店を経営していて、要の担当編集者でもある幹弥と、友人の小夜をさりげなく引き合わせるのが目的だった。
しかし、その場所で思いがけない人物に遭遇する。それは千鶴が嫁ぐ前に、要の許嫁だった女性で……。
ラブラブな2人の穏やかな日々
夏休みに入って、旦那様とゆったり過ごす千鶴。実家の母が挨拶に来たりして、ちょっとその辺の事情も明らかにしながらも、基本ラブラブ。
いきなり饒舌な要さんが出てきてビックリするけど、「億劫だけど、ここではっきり気持ちを言っておかないと、悩むのは千鶴だから」とか考えてるあたり凄い。
千鶴を好きなのが今まで以上にハッキリ出てて、もちろん千鶴も要さん大好きで、しょっぱなから糖度MAX。
でも深山先生の上品な文章、千鶴の清楚なふるまい、寡黙な要さんとあって、質の良い少女小説です。こういうしっかりした文章の少女小説って貴重だよね。
深山先生の小説は言葉遣いも、キャラクターも、とにかく好感が持てるんだよな~。
お邪魔虫登場で、じれじれする2人
要さんの過去の女(只の許嫁ですが)が登場して、不安になる千鶴……だとよくあるパターンですが。千鶴はとても良い子なので、勝手に勘ぐって不安になるんじゃなくて、「あの女性に会ってから不機嫌そうだから、なるべくそっとしておいて差し上げよう。でも早くいつもの要さんに戻ってほしいな。他の人のこと考えて欲しくないな。」って感じ。健気や……。
でも実は要さんは要さんで、「あいつに会ってから千鶴が怒ってる。あんな女無視して相手にしなければよかった。」とか後悔してるんだ。なにこの両想い仲良し夫婦。
2人の勘違いが分かるシーン、最高にニヤニヤしたわ……。
元許嫁の女性がどんなに嫌な奴で、要さんが忌み嫌っているかは是非読んで確認してください。深山先生、敵役とか嫌なキャラを動かすの本当上手……もう憎々しくてたまんない。どのシリーズも、主役たちはあんなに人間が出来てて、良い人たちばっかりなのにね。この辺も感情移入できるポイントだよな~。
この後も、勝手に元許嫁が家に上がり込んできたりするけど、そこは要さんの男の見せどころ。マジ千鶴じゃなくても惚れ直します。
最後らへんの夫婦のやり取りなんか、幸せ最高潮です。人生って素晴らしい。
脇役の恋愛模様も楽しい
今回、脇役の恋模様も豊か。3巻からちょっと気になってた、御曹司こと幹弥さんと、お友達の小夜ちゃんが急接近。幹弥さん、チャラそうに見えて、一旦狙ったらグイグイ行くタイプでした。深山先生作品ではめずらしく、主役が脇役の恋をお膳立てするシチュエーションかな? いやそうでもない? なんだかんだで結構あったけそういえば。
幹弥さんも深山先生のキャラらしく、恋愛については軽そうに見えて本当は真摯なタイプでした。小夜ちゃんはのんびり屋さんっぽいけど、このまま幸せに暮らせそうで良かった。
あとは何といっても、千鶴のお祖母さまのお話。何度も出てた、恩人の話が実はかなりの恋愛話で……。番外編で、この過去話書いて下さらないかな、先生。すごく素敵な話ですよ。
このエピソード自体が、最後あたりで要が言う台詞の伏線になってるのもニクイね。
次回ついに最終巻…!!
相変わらず読みごたえがあり、しかも今回はラブロマンスが結構多めで甘々なので、シリーズファンは絶対読むべきです。
あとシリーズものと言いつつも、基本1話完結で、どうにも続きが気になってモヤモヤするタイプの作家さんではありませんので、シリーズを読んだことが無い人はとりあえず一巻だけ買っても大丈夫。
挿絵も良いですよ。藤間麗先生のイラストが可愛くてね。しかも今回は表紙の要さんがちょい男っぽくてドキドキ。なんか二人で並んでるだけなのに、大正ロマン感が溢れてて、表紙見るだけでキャーってなる(笑)。
なお、あとがきで次回が最終巻と書いてありました。先生のシリーズは最近は3巻ほどできっちり終わるようになっているので、これもそうみたいです。
もっと続いてほしいと思いつつも、色んな作品をたくさん出してくださるのもどっちも嬉しい複雑なファンごころ。とりあえず最終巻をワクワクしながら待ちたいと思います。